
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
~“長持ち仕上げ”~
コーキングを長持ちさせる鍵は、断面設計・下地処理・気象管理、そして塗装工程との連携。現場で効く“勘どころ”を、季節運用・素材別にまとめました。
目次
2:1ルール(幅:厚)を基本に、最少6mm確保
入隅・開口角は増し厚+R仕上げで応力分散
ALC/縦目地は低モジュラスで伸び代を確保
タイル目地はシール=仕上げ。色番合わせと汚れにくい艶が肝
撤去粉塵・離型剤・油分は機械ケレン+アルコール脱脂
金属:ST2〜3ケレン→防錆プライマー
モルタル:脆弱層を落としてフィラーで段差補正
窯業サイディング:目地底の防水紙損傷に注意⚠️
夏:過軟化・流れ防止→目地冷却・早朝/夕方施工、希釈禁止
冬:硬化遅延→露点差+3℃以上、結露面NG、低温対応材
雨前後:含水面・濡れ戻りを避け、プライマー有効時間厳守
塗装可否:MS/PU=多くは可、シリコン=不可が基本(専用プライマー例外あり)
工程順:シール→硬化→上塗りが原則(可塑剤移行の影響を回避)
艶設計:外壁3〜5分艶で波打ち・段差を目立たせない
低汚染上塗りを選ぶと雨筋が出にくい
端部からのピンホール:ならし不足→端部押さえ+二度ならし
ブリード(ベタつき/汚れ吸着):可塑剤移行→低ブリード材+上塗り
早期剥離:プライマー漏れ/有効時間超過→再ケレン・再プライマー
色ムラ:充填後の指触で表面荒れ→乾燥までノータッチ✋
浴室:防カビシリコン、通気・乾燥時間を確保
キッチン・洗面:変成シリコン(MS)で後塗装可、油分除去を入念に
床見切り/巾木:低モジュラス薄塗りで開き防止
換気・火気厳禁(溶剤系)/臭気対策
VOC配慮材・低ブリードの選定
写真台帳:撤去→プライマー→充填→仕上げ→膜厚を段階記録
m単価(撤去・養生・充填・ならし含む)×延長+足場+高所/難所係数
色番指定・低ブリード・防カビはオプション明記
保証範囲(割れ/剥離・年数・面積)を書面化
目地幅/深さ、動きの大きさ、既存材の種類
方位(南/西=紫外線強)、近接汚れ源(幹線道路・工場)
上塗り予定の有無と塗料系統
雨仕舞(サッシ下・水切り上)と逃げの確保
足場動線・高所作業の安全計画
「割れてきたかも?」「どの材が正解?」と感じたら、断面設計と材料相性から丁寧にご提案。
三面接着ゼロ設計×塗装連携で、長く美しくを標準化します。✨
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スギテック、更新担当の中西です。
~“打ち替え”~
外壁の目地やサッシ周りは建物の関節。ここが切れると、雨水浸入→下地腐食→仕上げ劣化が一気に進みます。私たちは打ち替え前提で設計し、三面接着防止・下地適合プライマー・断面設計を徹底。見た目と防水を同時に底上げします。✨
目次
防水:雨水・結露の侵入ストップ
追従:温度伸縮・地震・風揺れに伸びて戻る↔️
緩衝:異種材料の段差・振動を吸収
変成シリコン(MS):外壁の標準。塗装可・ブリード少・密着◎
シリコン:浴室・水回り向け。基本“塗装不可”(要注意)
ポリウレタン:柔らかく追従性◎、上塗り前提の外装で
低/高モジュラス:動き大=低モジュラス、固定部=高モジュラス
防カビ配合:水回り・北面・日陰で効果的
迷ったら「上塗りの有無」「日射・動きの大きさ」で選定すると失敗が減ります。
打ち替え:既存撤去→清掃→プライマー→新規充填(基本はコレ)
増し打ち:既存が健全・厚み確保可・相性適合のときだけ
目地底はバックアップ材/ボンドブレーカーで三面接着を禁止。ここが生命線。
既存撤去(カッター・ペンチ)→粉塵除去
養生(マスキング)→プライマー塗布
バックアップ材(深さ調整)→充填(カートリッジ/ソーセージ)
ヘラならし(端部押さえ・角増し厚)→養生撤去→硬化養生⏳
必要に応じ上塗り(塗装可材のみ)
断面設計目安:幅:厚み=2:1、最小厚6mm以上、角はRでクラック抑制。
水切り・下端は排水の逃げを確保(止水しすぎ禁止)
既存はみ出し可塑剤は溶剤NG、機械ケレン+脱脂で密着確保
金属面は防錆プライマーを先行️
三面接着→早期破断 → バックアップ材/テープで二面化
プライマー省略→剥離 → 適合銘柄を有効時間内に
薄塗り→裂け → 規定厚と端部押さえ
不適合材→ベタつき・ブリード → MS系+低ブリードを選定
雨天・結露施工→泡・剥離 → 露点差と乾燥面を確認️
撤去の有無(打ち替え/増し打ち)
プライマー銘柄と相性
断面寸法(幅・厚・バックアップ材)
材料グレード(MS/PU/シリコン・低モジュ・防カビ)
上塗り前提か(塗装仕様と整合)
保証(割れ/剥離の年数・範囲)️
外壁目地:10〜15年(日射・方位で短縮)
サッシ回り:7〜12年(動き・紫外線で変動)
浴室:5〜8年(使用環境依存)
目地の割れ・隙間・汚れが見えたらサイン。幅・厚・材質まで踏み込んだプランで、長持ち×美観を実装します。✨
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スギテック、更新担当の中西です。
目次
当社のブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、実際のコーキング工事がどのような流れで行われているのか、現場での作業手順をステップごとにわかりやすくご紹介していきます。
「コーキングって、どんな道具を使って、どんなふうに進めていくの?」
そんな疑問をお持ちの方にも、きっと参考になる内容です。
コーキング工事は、見た目以上に繊細で技術のいる作業です。
外壁の耐久性や防水性能にも大きく関わるため、ひとつひとつの工程を丁寧に進めることがとても大切です。
以下が、一般的なコーキング工事の手順です。
まず最初に行うのが、古くなったコーキング材の撤去です。
時間の経過とともに、コーキング材は固くなり、ひび割れたり剥がれたりして、本来の防水性能や柔軟性を失ってしまいます。
そのため、専用のカッターやスクレーパーなどの工具を使って、しっかりと古い材料を取り除くところからスタートします。
この作業を丁寧に行わないと、新しいコーキング材がうまく密着せず、仕上がりにも大きな差が出てしまうため、非常に重要な工程です。
次に行うのが、コーキングを打ち込む前の「下地の整備」です。
撤去した後の目地には、ゴミやホコリ、カビの残り、微細な粉塵などが付着しています。
これらを放置したまま施工すると、密着不良や剥がれの原因になります。
ブラシやエアダスターでしっかりと清掃したのち、必要に応じてプライマー(下塗り材)を塗布します。
このプライマーは、コーキング材と下地の密着力を高める接着剤のような役割を果たしてくれます。
次に、目地の両脇にマスキングテープを丁寧に貼っていきます。
これは、コーキング材が施工面以外にはみ出してしまうのを防ぎ、仕上がりをまっすぐ美しく見せるためのひと手間です。
見た目の美しさだけでなく、後の塗装工程にも影響を与えるため、細かいところまできちんと貼ることが重要です。
いよいよコーキング材の打ち込みです。
専用の「コーキングガン(シーリングガン)」を使って、目地に材料を均一に充填していきます。
ここで大事なのは、「すき間なく」「ムラなく」「空気を入れない」こと。
充填が甘いと、防水効果が落ちたり、乾燥後に中が凹んでしまったりするため、職人の腕と経験が問われる場面でもあります。
コーキング材を充填した後は、ヘラを使って表面をなめらかに整えていきます。
この作業は「ならし」や「押さえ」とも呼ばれ、目地にしっかり密着させつつ、見た目もキレイに整える大切な作業です。
力加減や角度、押すスピードなどに職人の技術が光る工程で、最終的な仕上がりに大きく影響します。
ヘラでならし終えたら、乾く前にマスキングテープを丁寧にはがします。
乾燥後に剥がしてしまうと、テープと一緒にコーキング材が切れてしまうため、タイミングがとても重要です。
あとは乾燥養生の時間をとって、完全に硬化すれば工事完了です。
使用するコーキング材によっては、完全硬化に24~48時間かかる場合もあります。
こうして見ると、「なんだか簡単そう」と思われるかもしれませんが、
実はこの一連の作業には、細かな技術と経験が必要不可欠です。
・どれだけ丁寧に古い材料を撤去するか
・下地処理をどこまでやるか
・マスキングの貼り方
・材料の打ち込みの“角度とスピード”
・乾燥前の処理のタイミング
すべてが仕上がりに直結するため、“プロの丁寧な施工”と“簡易的なDIY”とでは大きな差が生まれてしまうのです。
次回もお楽しみに!
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スギテック、更新担当の中西です。
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今回のブログでは、コーキング工事に使われる「コーキング材」について、わかりやすくご紹介していきます。
前回、コーキングとは“建物のすき間を埋めることで雨水や空気の侵入を防ぐ”重要な工事だというお話をしましたね。
では、実際にそのすき間を埋めるためには、どんな材料が使われているのでしょうか?
実は、コーキング材にもいくつかの種類があり、場所や目的に応じて使い分ける必要があります。
「どれもすき間を埋めるだけなんじゃないの?」と思われがちですが、コーキング材にはそれぞれ得意・不得意があるんです。
たとえば、浴室のように常に湿気がある場所、外壁のように紫外線や雨風にさらされる場所、屋内の一時的な補修…
どの現場でも同じ材料を使えばいいというわけではありません。
それぞれの性質をよく知って、“適材適所”で選ぶことが長持ちする秘訣です。
主な用途:キッチン・浴室・洗面所など水まわり
特徴:高い耐水性と防カビ性。湿気に強く、長期間弾力性を保ちます。
注意点:表面がツルツルしていて塗料が乗らないため、塗装との相性が悪いのが難点。外壁や屋根など「塗装を施す場所」には不向きです。
主な用途:外壁目地・ALC・コンクリートなどの建物外部
特徴:高い密着性と柔軟性があり、上から塗装も可能。耐久性も十分。
注意点:紫外線に弱く、塗装で保護しないと劣化しやすいため、仕上げ塗装が必須です。逆にいえば、塗装前提の工事には非常に相性が良い素材です。
主な用途:外壁・屋根まわり・サッシ・目地など
特徴:シリコン系とウレタン系の“良いとこ取り”。塗装も可能で、紫外線や水にも強い。万能型の材料として多くの現場で使われています。
ポイント:近年の住宅建築や改修現場では、変成シリコンが主流になりつつあります。施工後に塗装する場合や、長期間の耐候性が求められる現場におすすめです。
主な用途:仮設建物・屋内の簡易補修・短期間の使用を想定した場所
特徴:コストが安く施工も手軽。ただし耐久性や防水性は低めで、常設にはあまり向きません。
注意点:屋外や高温多湿の環境では劣化しやすいため、本格的な工事には不向きです。
このように、コーキング材にはそれぞれの特性があります。
間違った材料を選んでしまうと、すぐに割れたり、はがれたり、カビが発生したりしてしまうことも…。
そのため、私たちプロの現場では、建物の構造・環境・素材の相性・仕上がりの要望などをしっかりと考慮して、最適な材料を判断して使用しています。
お客様には見えにくい部分かもしれませんが、この“見えない判断力”こそがコーキング工事の品質を大きく左右するポイントなのです。
コーキング材はただの「すき間埋め材」ではありません。
水回りにはシリコン系
外壁には変成シリコン系やウレタン系
屋内の仮補修にはアクリル系
といったように、場所に応じた適切な材料選びが、建物の保護と長寿命化につながります。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
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今回は、前回の「歴史編」に続き、**コーキング工事の“鉄則”**についてお話しします。
コーキング工事は一見シンプルな作業に見えますが、失敗すれば雨漏り・カビ・劣化の原因になる、非常に責任の重い仕事です。
ここでは、施工のプロが日々心がけている“現場の掟”を5つに分けて解説します。
コーキング材の密着力は、下地の状態に大きく左右されます。施工前には:
汚れ・ホコリの除去
油分や水分の乾燥
剥離部のサンダー処理
などを徹底し、必要に応じてプライマー(接着促進剤)を丁寧に塗布することが基本中の基本です。
「ここを手抜きした職人は信用されない」と言われるほど、重要な工程です。
一口にコーキング材といっても、種類はさまざま。
ウレタン系:可動部分向き。塗装可能。
シリコン系:耐候性抜群だが塗装不可。
変成シリコン:両者のハイブリッドで多用途。
アクリル系:室内向け。安価だが耐久性は低い。
現場環境・使用部位・動きの有無・塗装の有無などを考慮し、最適な材料選定が品質の決め手になります。
コーキングは、単に隙間を埋めるのではなく、伸縮に耐える“弾性の層”をつくることが目的です。
薄すぎる → すぐに破断・剥離
厚すぎる → 乾燥不良・表面硬化だけで内部は未硬化
特に**目地幅10mm以上の場合は二面接着(底にバックアップ材使用)**が鉄則です。
高温時 → 硬化が早く、作業時間が短くなる
低温・多湿 → 硬化不良や白化の原因に
雨天施工 → 接着不良、仕上がりにムラ
特に外壁や屋根まわりでは、天候と時間帯の見極めが品質の差を生むポイントです。
ヘラでのならしの角度と圧力
マスキングテープの貼り方・剥がすタイミング
押さえすぎず、ゆるすぎず
これらのバランスが、“ムラのない美しい目地”につながります。施主や管理者が最初に目にするのは、この「見た目」。
つまり、仕上がりがそのまま職人の信頼を決めるのです。
コーキング工事は、建物の“最後の守り”。
だからこそ、「見えないところで差が出る」「小さな工程が命取りになる」仕事です。
鉄則を守る=建物を守ること。
それを肝に銘じた職人の手が、今日も誰かの暮らしを支えています。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
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今回は、建物の目地や隙間を埋めることで水密性・気密性を保つコーキング工事の歴史に注目してみましょう。
目立たない作業ですが、その存在は建築の進化と密接に関係しており、時代ごとに進化してきた“封じる技術”なのです。
まず、コーキング工事とは、建物の外壁やサッシまわりなどにできる「目地(すき間)」を、弾力性のある材料(コーキング材)で埋める工事のことを指します。
水の侵入を防ぐ(防水性)
隙間風を遮る(気密性)
揺れや伸縮による建材のひび割れを吸収(追従性)
美観の維持(化粧目地)
そのため、コーキングは**建築物の耐久性を左右する“最後の砦”**とも言える存在なのです。
コーキングの歴史は、実は古代文明までさかのぼります。
古代エジプトやローマでは、石造建築の隙間にタールや粘土を使用
木造船の隙間には麻縄や松脂(ロジン)を詰めて防水処理
これらがいわば“コーキングの原型”。つまり、「隙間を埋めて守る」という発想は、人類共通の知恵でもあるのです。
20世紀初頭、鉄筋コンクリート造やプレキャスト工法の登場により、パネル同士の目地・継ぎ目が増加。これを埋めるための材料として、コーキング材の需要が一気に高まりました。
1950年代:油性パテやアスファルト系シーリング材が普及
1970年代:ウレタン・シリコン系シーリング剤の開発
1980〜90年代:耐久性・弾性を追求した高性能シーリングへ
2000年代以降:ノンブリード・低汚染・環境対応型の製品が主流に
こうして、コーキング材は時代ごとに建築技術や環境課題に合わせて進化してきたのです。
現在の建物は、気密性・断熱性・耐震性・意匠性のすべてが求められる時代。コーキングは単なる目地処理ではなく、以下のような分野にまで応用が広がっています。
高層ビルや複層ガラスの接着
パネル間の可動目地処理
外断熱工法での防水シール
太陽光パネルの取付部シール
コーキングの品質が、建物の寿命や資産価値に直結することは、もはや常識となりつつあります。
建築が変われば、コーキングの役割も変わる。
コーキングの歴史は、まさに建物を快適・安全に保つための“縁の下の技術”の進化の記録です。
次回は、そんなコーキング工事を行ううえで欠かせない「鉄則」について、現場目線でお話ししていきます。
次回もお楽しみに!
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スギテック、更新担当の中西です。
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~良い材料も“下準備”がなければ実力を発揮できない~
コーキング工事シリーズ第4回は、「下地処理と養生の重要性」について深掘りして一般的な市場での動向を基にご紹介します。
どれほど優れた性能のコーキング材を使っても、それを活かす“土台”が整っていなければ意味がありません。
見た目がきれいであることはもちろん、10年、15年と持続する施工のカギは「下準備」にあるのです。
「下地処理」とは、コーキング材がしっかりと下地に密着し、長く剥がれずに機能するための準備工程です。
実はこの工程こそ、プロの施工品質を左右する重要なステップなのです。
① 既存コーキング材の撤去
古いコーキング材をカッターやスクレーパーで丁寧に取り除く作業。
力まかせに引きちぎるのではなく、下地を傷つけずに“根こそぎ除去”する技術が求められます。
② 目地の清掃・脱脂
ほこり、砂、カビ、油分などの汚れは、接着障害となります。
刷毛・エアブロー・アルコールなどを用いて、目に見えないレベルまで徹底的に除去することが大切です。
③ プライマーの塗布
素材とコーキング材の“接着剤”となる下塗り剤(プライマー)を、適切な量と範囲で塗布します。
塗りすぎは硬化不良や変色の原因に。逆に少なすぎても接着力が弱まり、数年で剥がれが起こる可能性があります。
コーキングのひび割れ・剥離・膨れが1〜2年で発生
外壁の内部に雨水が侵入し、構造材の腐食・カビ発生に繋がる
補修費用が再施工+内部修繕で高額化
つまり、下地処理の良し悪しは、見た目では分からないけれど、結果にははっきり表れるのです。
「養生(ようじょう)」とは、作業中に塗料やコーキング材が他の部分に付着しないよう、保護するための作業です。
特にコーキング工事では、目地のラインを美しくまっすぐ仕上げるためのマスキングテープ貼りが欠かせません。
ラインのブレやにじみがあれば、どれだけ高性能でも“汚い仕上がり”に見える
はみ出した材料が周囲に付着すれば、外壁塗装やガラス、金属部分を汚し、修正が困難に
養生の剥がし方一つでも、ラインの精度が変わる
プロは、たった数mmの幅にこだわり、均一でピタッと決まった“美ライン”を作る技術を持っています。これは長年の経験がものを言う「職人芸」の一つです。
マスキングテープは接着力が強すぎず、きれいに剥がせる製品を使用
コーキング材が完全硬化する前にテープを剥がす(タイミングを間違えるとブチブチに)
気温・湿度・下地材の性質によって、テープの選定や貼り方を調整
この養生工程も、「下処理」と並んで施工品質を左右する極めて重要なプロセスなのです。
状況 | 原因 | 結果 |
---|---|---|
コーキング材が1年で剥がれる | プライマー未使用、古材の撤去不十分 | 雨水侵入による壁体内腐食 |
塗膜にブツブツの膨れが出る | 下地清掃不足、油分除去せず施工 | 美観が損なわれ、再施工が必要 |
目地のラインがガタガタ | 養生テープの貼り方が甘い、剥がし遅れ | 完成後の見た目が悪く、施主クレームの原因 |
良い材料を選んだだけでは、良い施工とは言えない。
それを活かすのが、「下地処理」と「養生」なのです。
高性能なコーキング材=スポーツカー
下地と養生=その“足回りと整備”
と考えれば、その重要性はおのずと分かるはずです。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
目次
コーキング工事シリーズの第3回では、「コーキング材選びのポイント」について一般的な市場での動向を基に解説します。
コーキング材は、ただ隙間を埋めればよいのではありません。適材適所の材料選びこそが、仕上がりの耐久性・美観・施工効率に大きく影響します。今回は、プロが重視する「耐候性・追従性・意匠性」の3つの観点から、材料選定の極意をお伝えします。
コーキング(シーリング)材は、建物の外壁やサッシの隙間、サイディングの目地、屋根の継ぎ目などに使用される柔軟性のある防水材です。
その役割は主に以下の3つ:
防水性:雨水や湿気の侵入を防ぐ
気密性:空気の漏れを防止し、断熱効果を高める
伸縮対応:温度変化や振動による素材の動きに対応
だからこそ、材料選びを誤ると、数年で劣化・ひび割れ・剥離などの不具合に繋がってしまうのです。
耐候性とは、日射・風雨・気温差などの自然条件に対して、劣化せずにどれだけ長持ちするかという性能です。
シリコン系:紫外線に強く、耐候性に優れる。窓まわりやガラスまわりに最適。
変成シリコン系:耐候性と塗装性のバランスがよく、外壁や屋根にも対応。
ポリウレタン系:やや耐候性に劣るが、伸縮性に優れるため屋内や動きの大きい部位に◎。
外壁や屋根、特に日差しや風雨の強い南面・西面では、耐候性の高い材料が必須です。
建物は、風・地震・温度変化によって常に「動いて」います。**コーキング材も一緒に伸び縮みできる柔軟性(=追従性)**がなければ、すぐに割れてしまいます。
伸び率(伸長性):JIS A 5758における分類(20LM, 25LMなど)で確認。
弾性回復性:元に戻る力。数値が高いほど「ひび割れにくく」なる。
外壁目地やALCパネルの継ぎ目など、振動や動きのある場所では高い追従性が求められます。
住宅の外観や意匠設計にこだわる現場では、コーキングの仕上がりの美しさ=意匠性も重要です。
カラーバリエーション:外壁材に合わせて、近似色を選択可能か?
塗装の可否:変成シリコンやポリウレタン系は塗装可能。シリコン系は塗装不適合なものが多い。
仕上がりのツヤ感:光沢の有無で、周囲との一体感が変わる。
特にリフォームや戸建住宅では、**「塗装と合わせた美しい仕上がり」**が顧客満足に直結します。
コーキング材選びは、見た目・耐久性・機能性すべてに関わる重要な判断ポイントです。
長持ちさせたいなら → 耐候性を重視
動きのある部材なら → 追従性重視
外観の調和を求めるなら → 意匠性重視
「何に使うか」を明確にし、「どんな性能が必要か」を見極める――
それがプロの材料選定です。
次回は、そんな高性能な材料を**正しく機能させるために欠かせない「下地処理と養生の重要性」**についてご紹介します!
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
シリーズ「マンション外壁コーキング 完全マスター講座」第2回をお届けします。
前回は「コーキングとは?役割とマンション外壁での重要性」をご紹介しましたが、今回は「劣化のサインと事前診断のポイント」をテーマに、コーキングの代表的な劣化症状を写真付きで詳しく解説するとともに、管理組合様やオーナー様ご自身で行える簡易チェックリストをお伝えします。大規模修繕工事を成功させるためには、早期発見・早期対応が肝心です。ぜひ参考にしてください!
目次
マンションの外壁コーキングは、経年とともに次のような劣化症状が現れます。各サインを把握し、定期的に目視・触診でチェックしましょう。
症状:コーキング表面に細い線状の割れ目が入る。初期は幅0.2mm以下のヘアクラックですが、放置すると幅が広がり雨水が侵入します。
原因:紫外線による硬化、熱膨張・収縮の繰り返し、下地の動きへの追従不足。
チェック方法:拡大鏡やスマホのカメラで拡大し、ひび割れの深さ・幅を確認。幅が0.5mm以上、または深さが全厚を貫通する場合は要交換です。
症状:目地の中央部が完全に切れ、隙間が開いている状態。手で押すと指が入るほどの開口が見られます。
原因:コーキング材の寿命超過、施工不良、激しい地震動や建物の大きな動き。
チェック方法:指先で軽く押し込み、内部まで切れていないかを確認。切れ目がある場合はすぐに打ち替えが必要です。
症状:コーキング表面が白っぽく粉を吹いたように見える、または元の色から大きく色褪せしている状態。
原因:紫外線劣化による表面樹脂の分解、汚れの蓄積。
チェック方法:乾いた布で表面をこすり、粉状の樹脂が付着するか確認。粉が多量に出る場合は防水性能が低下しています。
症状:充填したコーキング材が痩せて目地深部が露出している、または目地幅に比して肉痩せが起きている状態。
原因:コーキング材中の可塑剤や揮発成分の流失、長期間の経年変化。
チェック方法:目地の深さを定規で測定し、既定の充填深さ(一般的に目地幅の1/2~2/3)を下回っていないか確認します。
症状:下地との密着が失われ、一部が剥がれて浮いている状態。
原因:下地の不適切なプライマー処理、汚れや油分の付着、コーキング材の接着性不足。
チェック方法:スクレーパーやヘラを使い、目地端から軽く引っ掛けて密着状態を確認。簡単に剥がれる場合は全面打ち替えが必要です。
大規模修繕前に、管理組合様やオーナー様が実施できる簡易診断の流れをご紹介します。専門家による赤外線調査や打診検査に先立ち、以下の手順で現状把握を行いましょう。
共用廊下・バルコニー:低い位置の目地から順に確認。住戸内からもバルコニー越しにチェック可能です。
外壁パネル目地:高所は双眼鏡やスマホカメラのズーム機能で観察。
窓サッシ廻り:サッシと外壁の取り合い部を重点的に確認。
ヘラ・スクレーパー:目地端に差し込み、浮きや剥がれの有無をチェック。
指先押し込み:柔らかく押して弾性を確認。硬化しすぎて指が入らない場合は劣化サインです。
劣化サインごとに写真を撮り、位置と症状を記録。後日専門業者と共有することで、診断・見積りがスムーズになります。
劣化サイン | チェック項目 | 要交換の目安 |
---|---|---|
ひび割れ | 幅0.5mm以上、全厚クラック | 打ち替え推奨 |
断裂・切れ | 指が入る隙間がある | 即時打ち替え |
変色・チョーキング | 布で拭うと粉が付着 | 防水性能低下、打ち替え検討 |
収縮・痩せ | 充填深さが目地幅の1/2以下 | 追加充填または打ち替え |
剥離・剥がれ | ヘラで簡単に剥がれる | 全面打ち替え |
漏水事故の未然防止:初期段階で打ち替えを行えば、雨漏りやタイル浮きなど大規模な二次被害を防げます。
コストの平準化:小規模工事で済むため、一度に多額の予算を確保せずに済み、管理組合の負担を軽減。
居住者満足度の向上:定期的なメンテナンスで美観と安全性を維持し、居住者からの信頼を獲得。
資産価値の維持・向上:建物の長寿命化により、将来的な資産価値を保全できます。
第3回では「材料選びのポイント:耐候性・追従性・意匠性を見極める方法」をお届けします。各種コーキング材の特長比較や、箕面・大阪の気候に最適な素材選定のコツ、実際に当社で採用している高性能材料をご紹介します。ぜひお楽しみに!
スギテックは、箕面市を拠点にマンション外壁コーキング施工を専門とし、築年数や環境条件に応じた最適プランをご提供しています。シリーズを通して、建物の長寿命化と居住者の安心・安全を支える知識をお届けします。
次回もどうぞお楽しみに!
皆さんこんにちは!
杉テック、更新担当の中西です。
本日より「マンション外壁コーキング 完全マスター講座」をスタートします!
このシリーズでは、大阪府箕面市を拠点にマンションの外壁コーキング施工を専門とする当社ならではのノウハウを余すところなくお伝えします。第1回となる今回は、「コーキングとは何か?」「なぜマンション外壁においてコーキングが欠かせないのか?」という基礎中の基礎を、事例写真や図解を交えながらわかりやすく解説します。
――――――――――――――――――――
目次
コーキング(シーリング)とは、建築物の目地(外壁パネル同士の継ぎ目、サッシ廻り、窓枠まわり、バルコニー笠木の取り合い部など)に充填する弾性を持つ材料のことを指します。主にシリコーン系、ポリウレタン系、ポリサルファイド系などの樹脂が使われ、ゴムのように伸縮しながら目地の隙間を完全に封じることで、防水性・耐震性・気密性・断熱性を発揮します。
防水性:雨水や湿気の侵入を防ぎ、建物内部の躯体や鉄筋を腐食から守ります。
耐震性・追従性:地震や熱膨張・収縮による建物の動きに追随し、ひび割れを抑制します。特に高層マンションでは、階高が上がるほど揺れ幅が大きくなるため、追従性の高いコーキング材が不可欠です。
気密・断熱性:目地の隙間を完全に密閉することで、隙間風や熱の出入りを低減。冷暖房効率を高め、ランニングコストの削減にも貢献します。
意匠性:目地の色や質感を外壁と調和させ、美観を保つ役割を果たします。均一な打ち込みと丁寧な仕上げにより、建物全体の統一感が高まります。
――――――――――――――――――――
マンションは戸建住宅と比べて、外壁パネルやサッシの取り合い部、バルコニー笠木、基礎廻りなど、コーキング目地が数多く存在します。目地の長さは数百メートルから数千メートルにも及び、劣化したまま放置すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こします。
漏水・雨漏り
劣化したコーキングから雨水が侵入し、躯体内部の鉄筋やモルタルを腐食させるほか、居室天井やバルコニー床の雨漏りにつながります。これにより、建物全体の耐久性が著しく低下します。
タイル剥離・浮き
外壁タイルの裏側に浸入した水分が凍結と融解を繰り返すことで、タイルの浮きや剥離を招きます。落下事故の危険性があるため、早期のコーキング打ち替えが求められます。
躯体の劣化促進
水分や湿気が内部に長期的に溜まると、コンクリートの中性化が進行し、鉄筋の錆びによる爆裂(エフロレッセンス)現象を引き起こします。補修コストが大幅に増加する前に、目地からの侵入を防ぐことが重要です。
快適性・省エネ性能の低下
目地の隙間から冷気や熱が出入りし、室内の温度調整が難しくなります。結果として冷暖房費が増大し、居住者の快適性も損なわれます。
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当社杉テックでは、次の4つの条件を満たすコーキング材を厳選して採用しています。
高い耐候性
紫外線や風雨、温度差に強く、色褪せ・硬化・ひび割れを長期間抑制。特に西日本の厳しい夏の強烈な日差しや冬の寒暖差に耐えうる性能が必須です。
優れた追従性
伸縮率が200%以上あるものを選定し、建物の動きに柔軟に追随。地震や熱膨張収縮による負荷を吸収し、長寿命化を実現します。
強力な接着性
タイル・金属サッシ・モルタルなど、多様な下地に対して高い接着力を発揮。剥がれやすい環境下でも目地を確実に密着させます。
優れた意匠性
カラーバリエーションが豊富で、外壁色やデザインに合わせて最適な色調を選択可能。仕上がりの平滑性にもこだわり、目地が景観を損なわない美しい仕上がりを追求します。
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当社は箕面市を中心に近畿一円のマンション大規模修繕工事で数多くの実績を重ね、管理組合様やオーナー様から高い評価をいただいています。主な強みは以下の通りです。
経験豊富な職人チーム:国家資格保有者や実績10年以上のベテラン職人が施工。細部まで妥協しない丁寧な仕上げをお約束します。
徹底した現地調査・診断:事前に赤外線カメラや打診調査を行い、目地の劣化度合いやタイル浮きなどを詳細に把握。最適な工法と材料を選定します。
透明性の高い見積もり:材料費・人件費・諸経費を明示した分かりやすいお見積りで、追加費用の発生を最小限に抑えます。
安心のアフター保証:打ち替え施工後も、1年・3年・5年の定期点検を無料実施。万一の不具合には迅速に無償対応いたします。
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第2回では「劣化のサインと事前診断のポイント」をテーマに、コーキングの代表的な劣化症状(ひび割れ・断裂・変色・硬化など)を写真付きで詳しく解説します。管理組合様やオーナー様が“要交換”を見極めるためのチェックリストもご用意。大規模修繕工事の前にぜひご一読ください!
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杉テックは、箕面市を拠点にマンション外壁コーキング施工を専門とし、築年数や立地条件に応じた最適プランをご提供しています。シリーズを通して、コーキングの“本質”を理解し、建物の長寿命化と資産価値向上にお役立てください。
次回もお楽しみに!