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月別アーカイブ: 2025年7月

第8回マンション外壁コーキング 完全マスター講座

皆さんこんにちは!


スギテック、更新担当の中西です。

どうやって行うの?コーキング工事の流れ

当社のブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は、実際のコーキング工事がどのような流れで行われているのか、現場での作業手順をステップごとにわかりやすくご紹介していきます。

「コーキングって、どんな道具を使って、どんなふうに進めていくの?」
そんな疑問をお持ちの方にも、きっと参考になる内容です。


◆ 基本の流れはこの6ステップ!

コーキング工事は、見た目以上に繊細で技術のいる作業です。
外壁の耐久性や防水性能にも大きく関わるため、ひとつひとつの工程を丁寧に進めることがとても大切です。

以下が、一般的なコーキング工事の手順です。


【1】既存コーキングの撤去

まず最初に行うのが、古くなったコーキング材の撤去です。

時間の経過とともに、コーキング材は固くなり、ひび割れたり剥がれたりして、本来の防水性能や柔軟性を失ってしまいます

そのため、専用のカッターやスクレーパーなどの工具を使って、しっかりと古い材料を取り除くところからスタートします。

この作業を丁寧に行わないと、新しいコーキング材がうまく密着せず、仕上がりにも大きな差が出てしまうため、非常に重要な工程です。


【2】清掃と下地処理

次に行うのが、コーキングを打ち込む前の「下地の整備」です。

撤去した後の目地には、ゴミやホコリ、カビの残り、微細な粉塵などが付着しています。
これらを放置したまま施工すると、密着不良や剥がれの原因になります。

ブラシやエアダスターでしっかりと清掃したのち、必要に応じてプライマー(下塗り材)を塗布します。
このプライマーは、コーキング材と下地の密着力を高める接着剤のような役割を果たしてくれます。


【3】マスキングテープの貼り付け

次に、目地の両脇にマスキングテープを丁寧に貼っていきます

これは、コーキング材が施工面以外にはみ出してしまうのを防ぎ、仕上がりをまっすぐ美しく見せるためのひと手間です。

見た目の美しさだけでなく、後の塗装工程にも影響を与えるため、細かいところまできちんと貼ることが重要です。


【4】コーキング材の充填

いよいよコーキング材の打ち込みです。
専用の「コーキングガン(シーリングガン)」を使って、目地に材料を均一に充填していきます

ここで大事なのは、「すき間なく」「ムラなく」「空気を入れない」こと。

充填が甘いと、防水効果が落ちたり、乾燥後に中が凹んでしまったりするため、職人の腕と経験が問われる場面でもあります。


【5】ヘラでならして仕上げ

コーキング材を充填した後は、ヘラを使って表面をなめらかに整えていきます

この作業は「ならし」や「押さえ」とも呼ばれ、目地にしっかり密着させつつ、見た目もキレイに整える大切な作業です。

力加減や角度、押すスピードなどに職人の技術が光る工程で、最終的な仕上がりに大きく影響します。


【6】マスキングテープをはがして完了

ヘラでならし終えたら、乾く前にマスキングテープを丁寧にはがします

乾燥後に剥がしてしまうと、テープと一緒にコーキング材が切れてしまうため、タイミングがとても重要です。

あとは乾燥養生の時間をとって、完全に硬化すれば工事完了です。
使用するコーキング材によっては、完全硬化に24~48時間かかる場合もあります。


◆ 作業はシンプルでも、プロの技術が光る

こうして見ると、「なんだか簡単そう」と思われるかもしれませんが、
実はこの一連の作業には、細かな技術と経験が必要不可欠です。

・どれだけ丁寧に古い材料を撤去するか
・下地処理をどこまでやるか
・マスキングの貼り方
・材料の打ち込みの“角度とスピード”
・乾燥前の処理のタイミング

すべてが仕上がりに直結するため、“プロの丁寧な施工”と“簡易的なDIY”とでは大きな差が生まれてしまうのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

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第7回マンション外壁コーキング 完全マスター講座

皆さんこんにちは!


スギテック、更新担当の中西です。

 

どんな種類があるの?コーキング材のいろいろ

今回のブログでは、コーキング工事に使われる「コーキング材」について、わかりやすくご紹介していきます。

前回、コーキングとは“建物のすき間を埋めることで雨水や空気の侵入を防ぐ”重要な工事だというお話をしましたね。

では、実際にそのすき間を埋めるためには、どんな材料が使われているのでしょうか?
実は、コーキング材にもいくつかの種類があり、場所や目的に応じて使い分ける必要があります。


◆ コーキング材って何が違うの?

「どれもすき間を埋めるだけなんじゃないの?」と思われがちですが、コーキング材にはそれぞれ得意・不得意があるんです。

たとえば、浴室のように常に湿気がある場所、外壁のように紫外線や雨風にさらされる場所、屋内の一時的な補修…
どの現場でも同じ材料を使えばいいというわけではありません。

それぞれの性質をよく知って、“適材適所”で選ぶことが長持ちする秘訣です。


◆ 主なコーキング材の種類と特徴

【1】シリコン系

  • 主な用途:キッチン・浴室・洗面所など水まわり

  • 特徴:高い耐水性と防カビ性。湿気に強く、長期間弾力性を保ちます。

注意点:表面がツルツルしていて塗料が乗らないため、塗装との相性が悪いのが難点。外壁や屋根など「塗装を施す場所」には不向きです。


【2】ウレタン系

  • 主な用途:外壁目地・ALC・コンクリートなどの建物外部

  • 特徴:高い密着性と柔軟性があり、上から塗装も可能。耐久性も十分。

注意点:紫外線に弱く、塗装で保護しないと劣化しやすいため、仕上げ塗装が必須です。逆にいえば、塗装前提の工事には非常に相性が良い素材です。


【3】変成シリコン系

  • 主な用途:外壁・屋根まわり・サッシ・目地など

  • 特徴:シリコン系とウレタン系の“良いとこ取り”。塗装も可能で、紫外線や水にも強い。万能型の材料として多くの現場で使われています。

ポイント:近年の住宅建築や改修現場では、変成シリコンが主流になりつつあります。施工後に塗装する場合や、長期間の耐候性が求められる現場におすすめです。


【4】アクリル系

  • 主な用途:仮設建物・屋内の簡易補修・短期間の使用を想定した場所

  • 特徴:コストが安く施工も手軽。ただし耐久性や防水性は低めで、常設にはあまり向きません。

注意点:屋外や高温多湿の環境では劣化しやすいため、本格的な工事には不向きです。


◆ 使い分けが建物を長持ちさせるカギ

このように、コーキング材にはそれぞれの特性があります。
間違った材料を選んでしまうと、すぐに割れたり、はがれたり、カビが発生したりしてしまうことも…。

そのため、私たちプロの現場では、建物の構造・環境・素材の相性・仕上がりの要望などをしっかりと考慮して、最適な材料を判断して使用しています。

お客様には見えにくい部分かもしれませんが、この“見えない判断力”こそがコーキング工事の品質を大きく左右するポイントなのです。


◆ まとめ

コーキング材はただの「すき間埋め材」ではありません。

  • 水回りにはシリコン系

  • 外壁には変成シリコン系やウレタン系

  • 屋内の仮補修にはアクリル系

といったように、場所に応じた適切な材料選びが、建物の保護と長寿命化につながります。

 

 

次回もお楽しみに!

 

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