
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
今回のブログでは、コーキング工事に使われる「コーキング材」について、わかりやすくご紹介していきます。
前回、コーキングとは“建物のすき間を埋めることで雨水や空気の侵入を防ぐ”重要な工事だというお話をしましたね。
では、実際にそのすき間を埋めるためには、どんな材料が使われているのでしょうか?
実は、コーキング材にもいくつかの種類があり、場所や目的に応じて使い分ける必要があります。
「どれもすき間を埋めるだけなんじゃないの?」と思われがちですが、コーキング材にはそれぞれ得意・不得意があるんです。
たとえば、浴室のように常に湿気がある場所、外壁のように紫外線や雨風にさらされる場所、屋内の一時的な補修…
どの現場でも同じ材料を使えばいいというわけではありません。
それぞれの性質をよく知って、“適材適所”で選ぶことが長持ちする秘訣です。
主な用途:キッチン・浴室・洗面所など水まわり
特徴:高い耐水性と防カビ性。湿気に強く、長期間弾力性を保ちます。
注意点:表面がツルツルしていて塗料が乗らないため、塗装との相性が悪いのが難点。外壁や屋根など「塗装を施す場所」には不向きです。
主な用途:外壁目地・ALC・コンクリートなどの建物外部
特徴:高い密着性と柔軟性があり、上から塗装も可能。耐久性も十分。
注意点:紫外線に弱く、塗装で保護しないと劣化しやすいため、仕上げ塗装が必須です。逆にいえば、塗装前提の工事には非常に相性が良い素材です。
主な用途:外壁・屋根まわり・サッシ・目地など
特徴:シリコン系とウレタン系の“良いとこ取り”。塗装も可能で、紫外線や水にも強い。万能型の材料として多くの現場で使われています。
ポイント:近年の住宅建築や改修現場では、変成シリコンが主流になりつつあります。施工後に塗装する場合や、長期間の耐候性が求められる現場におすすめです。
主な用途:仮設建物・屋内の簡易補修・短期間の使用を想定した場所
特徴:コストが安く施工も手軽。ただし耐久性や防水性は低めで、常設にはあまり向きません。
注意点:屋外や高温多湿の環境では劣化しやすいため、本格的な工事には不向きです。
このように、コーキング材にはそれぞれの特性があります。
間違った材料を選んでしまうと、すぐに割れたり、はがれたり、カビが発生したりしてしまうことも…。
そのため、私たちプロの現場では、建物の構造・環境・素材の相性・仕上がりの要望などをしっかりと考慮して、最適な材料を判断して使用しています。
お客様には見えにくい部分かもしれませんが、この“見えない判断力”こそがコーキング工事の品質を大きく左右するポイントなのです。
コーキング材はただの「すき間埋め材」ではありません。
水回りにはシリコン系
外壁には変成シリコン系やウレタン系
屋内の仮補修にはアクリル系
といったように、場所に応じた適切な材料選びが、建物の保護と長寿命化につながります。
次回もお楽しみに!