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日別アーカイブ: 2025年6月23日

第6回マンション外壁コーキング 完全マスター講座

皆さんこんにちは!


スギテック、更新担当の中西です。

 

 

 

コーキング工事の鉄則とは?~見えない技術で建物を守る職人の心得~

今回は、前回の「歴史編」に続き、**コーキング工事の“鉄則”**についてお話しします。

コーキング工事は一見シンプルな作業に見えますが、失敗すれば雨漏り・カビ・劣化の原因になる、非常に責任の重い仕事です。

ここでは、施工のプロが日々心がけている“現場の掟”を5つに分けて解説します。


鉄則①:下地処理をおろそかにしない

 

コーキング材の密着力は、下地の状態に大きく左右されます。施工前には:

  • 汚れ・ホコリの除去

  • 油分や水分の乾燥

  • 剥離部のサンダー処理

などを徹底し、必要に応じてプライマー(接着促進剤)を丁寧に塗布することが基本中の基本です。

「ここを手抜きした職人は信用されない」と言われるほど、重要な工程です。


鉄則②:適材適所で材料を選ぶ

 

一口にコーキング材といっても、種類はさまざま。

  • ウレタン系:可動部分向き。塗装可能。

  • シリコン系:耐候性抜群だが塗装不可。

  • 変成シリコン:両者のハイブリッドで多用途。

  • アクリル系:室内向け。安価だが耐久性は低い。

現場環境・使用部位・動きの有無・塗装の有無などを考慮し、最適な材料選定が品質の決め手になります。


鉄則③:適切な厚みと幅を守る

 

コーキングは、単に隙間を埋めるのではなく、伸縮に耐える“弾性の層”をつくることが目的です。

  • 薄すぎる → すぐに破断・剥離

  • 厚すぎる → 乾燥不良・表面硬化だけで内部は未硬化

特に**目地幅10mm以上の場合は二面接着(底にバックアップ材使用)**が鉄則です。


鉄則④:温度・湿度・天候に注意する

 

  • 高温時 → 硬化が早く、作業時間が短くなる

  • 低温・多湿 → 硬化不良や白化の原因に

  • 雨天施工 → 接着不良、仕上がりにムラ

特に外壁や屋根まわりでは、天候と時間帯の見極めが品質の差を生むポイントです。


鉄則⑤:仕上がりの美しさは“職人の顔”

 

  • ヘラでのならしの角度と圧力

  • マスキングテープの貼り方・剥がすタイミング

  • 押さえすぎず、ゆるすぎず

これらのバランスが、“ムラのない美しい目地”につながります。施主や管理者が最初に目にするのは、この「見た目」。
つまり、仕上がりがそのまま職人の信頼を決めるのです。


まとめ:コーキング工事に妥協は禁物

 

コーキング工事は、建物の“最後の守り”。
だからこそ、「見えないところで差が出る」「小さな工程が命取りになる」仕事です。

鉄則を守る=建物を守ること。
それを肝に銘じた職人の手が、今日も誰かの暮らしを支えています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

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