
皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
今回は、前回の「歴史編」に続き、**コーキング工事の“鉄則”**についてお話しします。
コーキング工事は一見シンプルな作業に見えますが、失敗すれば雨漏り・カビ・劣化の原因になる、非常に責任の重い仕事です。
ここでは、施工のプロが日々心がけている“現場の掟”を5つに分けて解説します。
コーキング材の密着力は、下地の状態に大きく左右されます。施工前には:
汚れ・ホコリの除去
油分や水分の乾燥
剥離部のサンダー処理
などを徹底し、必要に応じてプライマー(接着促進剤)を丁寧に塗布することが基本中の基本です。
「ここを手抜きした職人は信用されない」と言われるほど、重要な工程です。
一口にコーキング材といっても、種類はさまざま。
ウレタン系:可動部分向き。塗装可能。
シリコン系:耐候性抜群だが塗装不可。
変成シリコン:両者のハイブリッドで多用途。
アクリル系:室内向け。安価だが耐久性は低い。
現場環境・使用部位・動きの有無・塗装の有無などを考慮し、最適な材料選定が品質の決め手になります。
コーキングは、単に隙間を埋めるのではなく、伸縮に耐える“弾性の層”をつくることが目的です。
薄すぎる → すぐに破断・剥離
厚すぎる → 乾燥不良・表面硬化だけで内部は未硬化
特に**目地幅10mm以上の場合は二面接着(底にバックアップ材使用)**が鉄則です。
高温時 → 硬化が早く、作業時間が短くなる
低温・多湿 → 硬化不良や白化の原因に
雨天施工 → 接着不良、仕上がりにムラ
特に外壁や屋根まわりでは、天候と時間帯の見極めが品質の差を生むポイントです。
ヘラでのならしの角度と圧力
マスキングテープの貼り方・剥がすタイミング
押さえすぎず、ゆるすぎず
これらのバランスが、“ムラのない美しい目地”につながります。施主や管理者が最初に目にするのは、この「見た目」。
つまり、仕上がりがそのまま職人の信頼を決めるのです。
コーキング工事は、建物の“最後の守り”。
だからこそ、「見えないところで差が出る」「小さな工程が命取りになる」仕事です。
鉄則を守る=建物を守ること。
それを肝に銘じた職人の手が、今日も誰かの暮らしを支えています。
次回もお楽しみに!