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皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
シリーズ「マンション外壁コーキング 完全マスター講座」第2回をお届けします。
前回は「コーキングとは?役割とマンション外壁での重要性」をご紹介しましたが、今回は「劣化のサインと事前診断のポイント」をテーマに、コーキングの代表的な劣化症状を写真付きで詳しく解説するとともに、管理組合様やオーナー様ご自身で行える簡易チェックリストをお伝えします。大規模修繕工事を成功させるためには、早期発見・早期対応が肝心です。ぜひ参考にしてください!
目次
マンションの外壁コーキングは、経年とともに次のような劣化症状が現れます。各サインを把握し、定期的に目視・触診でチェックしましょう。
症状:コーキング表面に細い線状の割れ目が入る。初期は幅0.2mm以下のヘアクラックですが、放置すると幅が広がり雨水が侵入します。
原因:紫外線による硬化、熱膨張・収縮の繰り返し、下地の動きへの追従不足。
チェック方法:拡大鏡やスマホのカメラで拡大し、ひび割れの深さ・幅を確認。幅が0.5mm以上、または深さが全厚を貫通する場合は要交換です。
症状:目地の中央部が完全に切れ、隙間が開いている状態。手で押すと指が入るほどの開口が見られます。
原因:コーキング材の寿命超過、施工不良、激しい地震動や建物の大きな動き。
チェック方法:指先で軽く押し込み、内部まで切れていないかを確認。切れ目がある場合はすぐに打ち替えが必要です。
症状:コーキング表面が白っぽく粉を吹いたように見える、または元の色から大きく色褪せしている状態。
原因:紫外線劣化による表面樹脂の分解、汚れの蓄積。
チェック方法:乾いた布で表面をこすり、粉状の樹脂が付着するか確認。粉が多量に出る場合は防水性能が低下しています。
症状:充填したコーキング材が痩せて目地深部が露出している、または目地幅に比して肉痩せが起きている状態。
原因:コーキング材中の可塑剤や揮発成分の流失、長期間の経年変化。
チェック方法:目地の深さを定規で測定し、既定の充填深さ(一般的に目地幅の1/2~2/3)を下回っていないか確認します。
症状:下地との密着が失われ、一部が剥がれて浮いている状態。
原因:下地の不適切なプライマー処理、汚れや油分の付着、コーキング材の接着性不足。
チェック方法:スクレーパーやヘラを使い、目地端から軽く引っ掛けて密着状態を確認。簡単に剥がれる場合は全面打ち替えが必要です。
大規模修繕前に、管理組合様やオーナー様が実施できる簡易診断の流れをご紹介します。専門家による赤外線調査や打診検査に先立ち、以下の手順で現状把握を行いましょう。
共用廊下・バルコニー:低い位置の目地から順に確認。住戸内からもバルコニー越しにチェック可能です。
外壁パネル目地:高所は双眼鏡やスマホカメラのズーム機能で観察。
窓サッシ廻り:サッシと外壁の取り合い部を重点的に確認。
ヘラ・スクレーパー:目地端に差し込み、浮きや剥がれの有無をチェック。
指先押し込み:柔らかく押して弾性を確認。硬化しすぎて指が入らない場合は劣化サインです。
劣化サインごとに写真を撮り、位置と症状を記録。後日専門業者と共有することで、診断・見積りがスムーズになります。
劣化サイン | チェック項目 | 要交換の目安 |
---|---|---|
ひび割れ | 幅0.5mm以上、全厚クラック | 打ち替え推奨 |
断裂・切れ | 指が入る隙間がある | 即時打ち替え |
変色・チョーキング | 布で拭うと粉が付着 | 防水性能低下、打ち替え検討 |
収縮・痩せ | 充填深さが目地幅の1/2以下 | 追加充填または打ち替え |
剥離・剥がれ | ヘラで簡単に剥がれる | 全面打ち替え |
漏水事故の未然防止:初期段階で打ち替えを行えば、雨漏りやタイル浮きなど大規模な二次被害を防げます。
コストの平準化:小規模工事で済むため、一度に多額の予算を確保せずに済み、管理組合の負担を軽減。
居住者満足度の向上:定期的なメンテナンスで美観と安全性を維持し、居住者からの信頼を獲得。
資産価値の維持・向上:建物の長寿命化により、将来的な資産価値を保全できます。
第3回では「材料選びのポイント:耐候性・追従性・意匠性を見極める方法」をお届けします。各種コーキング材の特長比較や、箕面・大阪の気候に最適な素材選定のコツ、実際に当社で採用している高性能材料をご紹介します。ぜひお楽しみに!
スギテックは、箕面市を拠点にマンション外壁コーキング施工を専門とし、築年数や環境条件に応じた最適プランをご提供しています。シリーズを通して、建物の長寿命化と居住者の安心・安全を支える知識をお届けします。
次回もどうぞお楽しみに!