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皆さんこんにちは!
スギテック、更新担当の中西です。
コーキング工事シリーズの第3回では、「コーキング材選びのポイント」について一般的な市場での動向を基に解説します。
コーキング材は、ただ隙間を埋めればよいのではありません。適材適所の材料選びこそが、仕上がりの耐久性・美観・施工効率に大きく影響します。今回は、プロが重視する「耐候性・追従性・意匠性」の3つの観点から、材料選定の極意をお伝えします。
コーキング(シーリング)材は、建物の外壁やサッシの隙間、サイディングの目地、屋根の継ぎ目などに使用される柔軟性のある防水材です。
その役割は主に以下の3つ:
防水性:雨水や湿気の侵入を防ぐ
気密性:空気の漏れを防止し、断熱効果を高める
伸縮対応:温度変化や振動による素材の動きに対応
だからこそ、材料選びを誤ると、数年で劣化・ひび割れ・剥離などの不具合に繋がってしまうのです。
耐候性とは、日射・風雨・気温差などの自然条件に対して、劣化せずにどれだけ長持ちするかという性能です。
シリコン系:紫外線に強く、耐候性に優れる。窓まわりやガラスまわりに最適。
変成シリコン系:耐候性と塗装性のバランスがよく、外壁や屋根にも対応。
ポリウレタン系:やや耐候性に劣るが、伸縮性に優れるため屋内や動きの大きい部位に◎。
外壁や屋根、特に日差しや風雨の強い南面・西面では、耐候性の高い材料が必須です。
建物は、風・地震・温度変化によって常に「動いて」います。**コーキング材も一緒に伸び縮みできる柔軟性(=追従性)**がなければ、すぐに割れてしまいます。
伸び率(伸長性):JIS A 5758における分類(20LM, 25LMなど)で確認。
弾性回復性:元に戻る力。数値が高いほど「ひび割れにくく」なる。
外壁目地やALCパネルの継ぎ目など、振動や動きのある場所では高い追従性が求められます。
住宅の外観や意匠設計にこだわる現場では、コーキングの仕上がりの美しさ=意匠性も重要です。
カラーバリエーション:外壁材に合わせて、近似色を選択可能か?
塗装の可否:変成シリコンやポリウレタン系は塗装可能。シリコン系は塗装不適合なものが多い。
仕上がりのツヤ感:光沢の有無で、周囲との一体感が変わる。
特にリフォームや戸建住宅では、**「塗装と合わせた美しい仕上がり」**が顧客満足に直結します。
コーキング材選びは、見た目・耐久性・機能性すべてに関わる重要な判断ポイントです。
長持ちさせたいなら → 耐候性を重視
動きのある部材なら → 追従性重視
外観の調和を求めるなら → 意匠性重視
「何に使うか」を明確にし、「どんな性能が必要か」を見極める――
それがプロの材料選定です。
次回は、そんな高性能な材料を**正しく機能させるために欠かせない「下地処理と養生の重要性」**についてご紹介します!
次回もお楽しみに!